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□好きまでの遠回り
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「・・・・はぁ」
「・・・・・・・・・・さっきから何」
何度も何度もため息をつく片桐凌を、呆れた顔で越前リョーマは見つめていた。
「聞いてくれよー」
「・・・・・・・だから聞いてるじゃん」
先ほどとは違い、今度はリョーマがため息をつく。
「・・・で、何」
「・・・手塚部長のこと・・なんだけど」
「・・・・・」
凌の言葉に、大体の予想はついていたもののリョーマの顔が少し曇る。
「なんか・・俺のことホントに・・す、きなのかな・・って・・思って」
「・・・・・・はぁ・・・俺、部活行くから」
「は?ちょっと・・聞いてくれないのかよー・・てか俺も行くからっ」
呆れた顔をして溜息をつくと、リョーマはテニスバックを背負って
教室を出ていく。
凌は、慌ててそのあとをついて行った。