風の間(長編)

□初任務
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氏政の会見間

氏政:「おお、二人とも来たか!どうじゃ穩罠 風魔はちゃんと其方の世話をしてくれておるか?」

穩罠:「はい。」

氏政:「不便はしとらんか?」

風魔:「…」

穩罠:「いいえ、私には持ったいない程の待遇です。不便などしておりません。所で今日から初任務になります。」

氏政:「うむ、そうじゃが其方はこの日の本の情勢を全く知って居らんじゃろ。城の警備にとはじめは考えておったんじゃが…それじゃあ、其方の能力を十分に発揮出来ん。
そこでじゃが先ず手始めに甲斐に行き偵察して来るんじゃ。」

穩罠:「甲斐?ですか…」

氏政:「そこは武田信玄が統治しておる国じゃ。手練れの家臣に真田幸村、手練れの忍 猿飛佐助がおる。少々難関ではあるかもしれんが後に風魔も差し向ける故、安心して任務に当たるが良い。」

穩罠:「承知しました」

氏政:「其方にコレをやろう」

氏政は新しい地図と南蛮から取り寄せた方位磁石を穩罠に渡した。

穩罠:「方位磁石と地図ですか」

氏政:「ほう、方位磁石を知っておるのか?これはまだこの日の本では珍しい品なんじゃが」

穩罠:「そうなんですか?そんな貴重な品頂いて良かったんでしょうか?」

氏政:「構わん構わん!其方が迷子にならん様にと思って渡したんじゃ。」

穩罠:「……(子供扱いされてる?)」

風魔:「……」

氏政:「して風魔よ其方には三河と豊臣の様子を見て来て貰いたい。ここの所再び動きがあったと噂を耳にしたもんでな」

風魔:「…」コクン

氏政:「では二人ともしっかり頼んだぞ。」

穩罠:「承知しました」

風魔:「……」コクン
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