風の間(長編)

□異世界(風魔視点)
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小田原城に到着すると風魔は主の前に彼女を連れた状態で現れた。
氏政は突然の事に瞠目し風魔に問いかける。

氏政:「風魔一体その女は何んじゃ!?しかも凄い血ではないか!」

風魔:「 帰り道に倒れていたのを拾いました。小田原の領地だった故、間者の可能性もあるかと思い此処へ連れて参りました。」

氏政:「ふむ…まだ息はちゃんとしとるようだのう…。うーん………。」

風魔:「……。」

氏政:「風魔、見た感じ其方と同業者の様に見えん事もないがどうじゃ?」

風魔:「(腐っても一国の主…流石に鋭いな…)……。」

氏政:「当たりじゃろ?まあ、何者かを詮索するのはこの者の意識がはっきりしてからじゃな。よし!風魔!傷が癒えるまでの間は此処で面倒を見るとしよう。」

風魔:「……。」

氏政:「但し、あまり騒ぎにはしたくない。内密に部屋を用意し人払いをしておく。そこで其方に面倒を頼みたいんじゃがどうじゃ?」

風魔:「仰せのままに。」

氏政:「うむ。ではさっそく部屋の準備に取り掛かるとするかのう…どっこいしょっと…。」

氏政は腰を上げ立ち上がると隠し部屋を用意する。
その間風魔は人の目に触れない様にする為屋根裏へと隠れる。
そして氏政が用意した部屋は氏政自身が昔使っていた茶室で今は誰も使っていない部屋の壁の裏の隠し部屋。そこは扉が壁しかなく窓もなければ光も刺さない座敷牢の様な部屋だった。広さは以外に広く10畳はあり中は以外に埃は無く綺麗にされていた。

氏政:「風魔!」

シュッ!シュタ!

風魔は怪我人を抱えたまま氏政の前に現れ膝をつく。

氏政:「あそこの茶室でも良いが心配でな…しばらくそこの隠し扉の部屋を使うが良い。部屋は綺麗にしてあるから大丈夫じゃろう。必要な物があれば用意する。何でも言うがいい。意識が戻ったら報告してくれ。」

風魔:「御意」
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