風の間(長編)
□初任務
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朝、穩罠は目を覚まし軒下で寝着のまま伸びをし空を仰ぐ。
穩罠は昨日から隠し部屋から風魔に与えられた北条家の屋敷近くに建てられた風魔の屋敷に居候する事になった。
この風魔の屋敷とは別に風魔の里があり立派な忍屋敷を持つ風魔だが、北条と契約中の間は氏政の言いつけを守りこの与えられた屋敷を住まいにしている。
しかしほとんど任務でこの屋敷で生活する事がほとんどない為、下忍がこの屋敷を管理している。
しかし風魔は穩罠の見張りを兼ねて世話も任されている為、珍しく屋敷で過ごす事になった。
穩罠の隣の部屋に風魔の居室がある。風魔は穩罠が目を覚まし軒下に居るのを確認する。
すると下人の隼人が来て風魔の居室の前で跪く。
隼人:「主、朝餉の支度が整いました。」
風魔は襖を開ける。
風魔:「(分かった。直ぐ行く。)」
隼人:「穩罠様にもお伝えしますか?」
風魔:「(俺が行くからいい)」
隼人は一礼し去って行った。
風魔は身支度を済ませ軒下に未だにボーッと空を眺める穩罠の前に立つ。
穩罠の顔に風魔の影が掛かる。
風魔:「(朝餉だ。早く身支度済ませろ。)」
穩罠:「分かった。」
穩罠は身支度を済ますと風魔と共に朝餉を済ませ氏政の元へ向かった。