企画

□Birthday企画
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今日は幼馴染みでわたしが片想いしてる日吉の誕生日。

毎年、わたしの家と日吉の家で合同パーティをするんだけど、今回はわたしの家の親が旅行にいくとかで一緒に祝えなくなってしまった。

どさくさに紛れて渡せていたプレゼントも今年は渡せなそうだ。

幼馴染みといってもわたしたちはクラスも違うし普段は接点があまりない。


「あー、どうしようおめでとうも言えない」

さすがにそれくらいは言っていいものだと思うけど何故か今日だけは日吉が放つ剣幕が怖くて。

おめでとうを言いたい女子たちも何人か逃げていってしまったのを昼休みに目撃した。


「あーむりだ諦めよう」

結局、放課後になった今もなにも行動を起こせていなくて自分が嫌になる。


するとふと優しい香りがした。

「この匂い…日吉みたい、なーんて」

振り返ると本当に日吉がいて。

わたしは驚きすぎて完全にテンパった。

「うひょっ!?」

うわーなんだいまのなんだいまのはずかしっ。


「お前大丈夫か?匂いとか…うひょとか…」

「あ、すいません忘れてください…」

別に気まずいことなんて何にもないのになんだか気まずい。

うわなんでこーなるかな折角の日吉の誕生日に…って、あ。


「そうだ誕生日…」

「あ、そーだったけそーいや。今日かもな」

日吉は結構どうでもよさげだけどわたしにとってはどうでもよくない。


「あの…今年はパーティできなくなっちゃったの」

「あぁ、知ってる」


まぁそりゃそうだ知ってるよね、ってそんなことじゃなくて。


「プレゼントとか…ほしいものあったりする?」

日吉が驚いてる。
あぁ、めんどくさい女って思われちゃったかな。

でもまぁ本当のことだししょうがないか。


自己嫌悪に浸りはじめたわたしの腕が勢いよく引っ張られるのと日吉の顔がめちゃくちゃ近づいたのはほぼ同時のことだった。

ゆっくり押し付けられる唇に驚いて目を開くと満足そうに笑う日吉と目が合った。

唇が離れてわたしが口をパクパクさせていると日吉は背を向けて一言だけ言った。


「プレゼントは今ので」


そんなことするからきっとわたしはいつまでも君を想い続けてしまうんだろう。



end


2012.12.5 日吉はっぴーばーすでい!
 

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