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□Ysログ
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*髪
「怪人になると髪が伸びたりするってのは、いつ見ても不思議だなぁ」
そう言いながらドギは赤の王に変身している状態の僕の前髪を一房つまんだかと思ったら、一度手を離し、今度は片目を隠すほど長い前髪を軽く掴んで持ち上げる
「俺としちゃあ、やっぱりちゃんと両目が見えてる方が見慣れてんなぁ」
邪魔じゃないのか、これ。と言われて、少し気になりはしたが今は特に気にならないかなと答えれば、そうかと笑った
「ひゅぅ、お熱いねぇ〜♪」
鷹ことクレドがおどけたように言うが何がお熱いのか分からずに首を傾げた
ドギもわからない様子だったのか何かを理解したらしく、やめろやめろそんなんじゃねぇよ。と手で払うしぐさをする
一体なんの話だい、二人とも

*おつまみ
珍しく休日であったダンデリオンの一階で酒盛りは行われていた
子供やお酒を嗜まない人以外が集まって、監獄や聖刻騎士団関係で入手した情報を交換することをメインにした情報交換の場である
といっても、相変わらずその辺りの情報の集まりは悪く、情報が被ったりしてあまり収穫は乏しい
変わりとばかりに最近の市場事情や新しく仕入れた酒の話題の方が盛り上がりを見せてしまうのも仕方のない話なのかもしれない

そんな中、アドルはドギと何故だかクレドに挟まれた状態でおつまみを食べていた
「…おい、あまり酒の進みがよくねぇようだなぁ?」
既に両手で数えきれないほどに飲み干しているクレドが一口二口ぐらいの口がつけられた杯を見て、言葉を溢す
「飲むのはドギの担当だから」
するりと放たれた言葉にクレドが怪訝な顔をしたのに気付かないまま、アドルは次の標的であるさやつきえんどう豆へと手を伸ばす
「なんだそりゃ」
「あまり得意じゃないんだ、お酒」
ある程度は飲めるけど、と言葉を付け足しながらもえんどう豆を丁寧に指でさやから抜き出し、口へと放り込む
何度か同じ動作を繰り返した後に喉か渇いたのか、自身の杯を手に取りちろりと舐めるようにお酒を飲むアドルを見ながら、どこかつまらなそうにクレドは呟く
「飲み比べとかできねぇな」
「だから、そういうのはドギの役割だって。ね、ドギ」
「ん?何がだ?」
アドルはあまり、この話題を先伸ばしをする気は無いようで、このお酒甘めだねとドギに話題を降るのを横目にクレドは、空になった杯に酒を流し込む

「それじゃあ、酔い潰してお持ち帰り、何てされたりしたのかぁ?」
「ブッフゥ、ゲホッゲホッ」
「わぁ?!ドギ大丈夫?」
「ちょっとぉ〜!何の話してるのよ貴達ぃ〜」



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