Short dream

□背中合わせで見えたもの
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グランドラインのとある島。
ここが、私とマルコの故郷だ。
でも彼は"海賊王にしたい男がいる"って言って、白ひげ海賊団の船でこの島を離れるらしい。


すぐそこに見える白ひげの船が停泊している。
マルコはずっとその船を見つめたまま。
私はその反対側にある生まれ育った街を見ている。



私とマルコは背中合わせ立っている。
何で背中合わせなのかって、

それは今から彼は海に生きる男になるから。

それは私は今まで通り街に住む女だから。








『本当に行ってしまうのね。』


「あぁ、行くよぃ。」


そう、あなたはいつも突然決めるの。

昔、お嫁さんになれって命令された時も。
悪魔の実の能力者になった時も。
そして、今も。


背中合わせでお互いの顔が見えないけど・・・自然とどちらからともなく手を繋いだ。
その手から伝わってくるあなたの覚悟と決意。

その気持ちに、少しだけヤキモチをやいた。









『元気でね。』


「あぁ。」


『風邪ひかないようにね』


「あぁ。」


『無理はしないで。』


「あぁ。」










『マルコ・・・死なないで・・・』


「・・・名無しさん!」


『!!』






急に名前を呼ばれた途端にキスをされた。


『マルコ・・・』



「名無しさん、俺と・・・一緒にくるかぃ?」


『・・・!
せっかく、お別れをしようって覚悟決めたのに・・・何でこんなことするの!

何で最後まで優しくするの!



・・・そんなことされたら・・・』





"離れられなくなる"と言おうと思ったら、またキスをされた。







「俺の傍にいろよぃ、名無しさん。」



ほんとに突然決める人ね。






『嫌よ!
だって海賊なんて野蛮で怖いもの』



「俺が傍にいてやるよぃ」



『私戦えないもの。』


「俺が守ってやるよぃ」



『・・・マルコから離れられなくなるわ。』




「俺がお前を離さないんだよぃ」




そう言われると、また突然にお姫様だっこをされた。
そして、白ひげの船に連れて行かれたわ。




『ほんとに、勝手な人なんだから。』



「海賊だからよぃ」









『ほんとに守ってくれる?』



「あぁ、当たり前だぃ」



『絶対離さないって誓ってくれる?』



「あぁ、誓うよぃ。」







「だからお前は、俺の横でずっと笑ってればいいんだよぃ」








気がつけば、もう一面が海しか見えなかった。





背中合わせで見えたもの


それは、私とあなたの未知なる未来でした。















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