Short dream

□どいつもこいつも
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俺はCP9という組織の長官をやっている。
正直、もうやめたい。

今日もとても憂鬱な毎日
ため息を吐きながら自室のドアを開ける。


『カリファー!まだできないの?』

「あとちょっとよ」

「わし、もう腹減りすぎて死にそうじゃわい」

「カクなら別に死んでもいいわ」

「ひど!」

『あれ?ルッチは?』

「あんな奴が来るわけないわい」

「そうね、ルッチがこたつに入ってるなんて想像しただけで吐き気がするわ。」

『それもそーだね!
じゃあ3人で食べよっか、おでん!』





いや、ここ俺の部屋なんですけど

「名無しさん、よそってあげるからお椀貸しなさい」

『カリファありがとー!』

「じゃあわしのは名無しさんがやってくれ!」

『了解じゃ!』

「それでわしはカリファのをよそってやるわい」

「あら、ありがと」


それ意味なくね?
それやるぐらいなら自分のよそった方が早くね?
 
『あ、テレビつけよーよ!
リモコンどこあるー?』

「あ、あそこじゃ!長官の机の上!」


『えー遠いよ!こたつから出たくない!』

「わしも嫌じゃ!」

「私も嫌よ」

『じゃあ諦めよっか!』

そう言ってまたおでんを食べる3人


(いやいやいやいや・・・)


その時、部屋のドアが開いた。

「おーい!酒持ってきたぞー!長官が中房の・・・あ、長官・・・!」

『ジャブラ遅いよー!また長官が隠して・・・あ、長官』

「「あ、長官・・・」」


「いや、気づくの遅くね?」

「無断で乙女の部屋に入るなんてセクハラです」

「自分の部屋なのに?!」


『もしかして・・・長官も仲間に入れて欲しかったの?』

言ってくれればよかったのにー!



「いや、違うから!」

「そうだったんか?長官は寂しがり屋じゃな!」

「いや、そうじゃないって」

「長官も一緒に食べますか?」

「それ、俺の冷蔵庫に入れてたおでん・・・」


「それより俺もこたつ入れてくれ、寒くて死にそうだ!」

『あ、ジャブラがこたつ入ったらもうスペースないね!』

「そうじゃな・・・じゃあ長官はまた今度じゃ!」

『ごめんね長官!』

「あ、見て!冷蔵庫にプリンがちょうど4個入ってるわ!」

『え?やったー!
デザート付きだなんて何て贅沢な部屋で過ごしてんだ長官は!』

「許せんわい!わしの部屋にも専用の冷蔵庫が欲しいのぅ」

「長官の冷蔵庫もらっていったらいいんじゃねーか?」

「なるほど・・・!ジャブラにしてはいい案じゃ!」

『犬のくせに』

「なんだとこの野郎!」

「ほら、犬は黙ってこれでも食べてなさい!」

「うっほ!うまそー」

「ほら、名無しさん。プリンよ」

『ありがとー!
ねーねー、カクのも私に譲って!』

「嫌じゃ!」

『なんでよ、カクのけち!』

「わしも甘いものが食べたいんじゃ!」

『キリンのくせに!』

「なっ・・・!それは関係ないじゃろ!」

『木に付いてる葉っぱでも食べとけばー?』

「なんじゃとー!もう名無しさんとは絶好じゃ!」

『別にカク何てどーでもいいもん!
プリンいただき!』

「あ!何するんじゃ!返せー!」

『よそ見してる方がいけないんですー!』


「おい、お前らうるせーぞ!」

「『黙れ、犬!』」

「なんだと!やるのか、コラ?」

『上等じゃボケー!』


3人が喧嘩をする横で、カリファは黙々と食べていた。









いや・・・それ、俺のこたつ

それ俺のおでん・・・



それ俺のプリンーーーーー!








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サイファーポールNo.9
六式を操る暗殺の達人は

どいつもこいつも
馬鹿ばかりでした


 

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