Slll・novel

□恋愛難題譚
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これは僕の恋愛難題譚です。

出来れば聴いていただけると幸いです、スイマセンっ!!





「おっ…おはようございます!」

『ん?あ、良。おはよう。…てか敬語じゃなくていいって何回言ったらわかるの?同い年なんだからさぁ…』

「えっ、あ、スイマセンっ!!」

『いや、だから…まあいっか。それも良のいいところだもんね』

「…あ、ありがとうございます」


僕を褒めて、にっ、と笑った彼女についみとれてしまった。

僕らはいわゆる席順のお隣さん、という関係にすぎない。

けど僕は一瞬で彼女に惚れてしまった。

いつも明るくて、勝ち気な目をしてるけど本当は優しくて人望もあって、誰もが彼女についていく…あぁっ!わかったような口きいてスイマセンっ!!

…とりあえず常に謝ってばかりの僕とは真逆の性格の子だ。

けど、彼女はそんな僕にでさえ優しく接してくれて、人が引くような謝り癖さえいいところだと褒めてくれる。

えーっと、それから、まだあります…!!スイマセンっ!!べらべらとつまらないことを!!

つまり…自信がなくて告白できない、てことです。


『良?どうしたの、さっきから目に生気がないけど』

「スイマセンっ!!…えっと、少し考え事があって…」

『あたしが乗れる相談なら聞くけど?』

「でも迷惑をお掛けするわけには…」

『だからいいって、友達でしょ?』


…これが僕の二つ目の難題。

お友達止まりって一番辛いやつですよね!?

告白できたとしてもお友達止まりでは意味がない。


ふと目線をあげると彼女の目がこちらを覗き込んでいた。


「え…と、実は…好きな人がいて…」


好きな人を目の前にして、こんなことを言ったせいで言葉が尻すぼみになった。

けどちゃんと声を聴き取ってくれたようで、彼女は少し動揺したようだった。

…動揺?


『…どんな子なの?』

「ふぇっ!?…いつも明るくて、勝ち気な感じなんですけどでもみんなに好かれてて」

『ふーん、すごくいい子じゃない。…あたしとは大違いね。勝ち気なだけで好かれてなんかな「そんなこと無い!」


時間が止まった気がした。

目の前の彼女はビックリしたようで口を開けたまま固まっている。


あ…えっと…どうしよう、スイマセン!!

どこからフォローしたら…スイマセン!!スイマセン!!

えっと…まず、フォロー…


「そっ…そんなこと無いです。勝ち気で、みんなに好かれてます…!!」

『あ…』


発してくれたのは一言だけでまた固まる。


フォローしきれなくてスイマセン!!


「『あの…!!』…スイマセン!!被っちゃって!!」

『いいよ。あのね良…ありがとう。あたし、頑張るから』

「?…はい、頑張ってください」

『うん、だから早く言ってね』

「え?」


彼女は僕の手を握って今まで見たこともないような柔らかい笑顔を見せた。





恋愛難題譚
(本当は僕が難題でした。)





『ま、良は押しが弱いからなぁ〜』

「なんの話ですか?」

『うん?恋愛相談。良はもうちょい押しがほしいね』

「は、はぁ…」





恋愛難題譚

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