√3xの心拍数


□√1×こっちも忘れずに
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そんなこんなで話も進み、結局選ばれたのは…


『あたしかよっ?!』

「俺なのか…」


咲良と緑間だった。

理由はなんだかテキトーそうなので聞かないでおく。


「…しかし、選ばれたからには人事を尽くさなければな」

『そうね、優勝くらいはしたいし。…っと一時間目の前に合唱コンクールの練習よね。行きましょ』


教室を出てしばらく歩いていると、


「そういえば、今日はあいつのクラスと合同ではなかったか?」


音楽室への道すがら緑間が気づいたように言う。

咲良が『誰よ』と言おうとした瞬間、なじみの声が聞こえた。


「結澄っちぃぃーーーっ!!!」


金色の髪から耳をはやした犬が音楽室の扉から飛び出してきた。


『(スッ)…おはよ、知紗。あんたのとこ美男美女コン誰になったの?』

「酷いっスよ!!無視するなんて!!」

『おはようございます、咲良〜』

「雪村っちまで?!」


いい加減傷ついたのか、黄瀬がショボーンとした空気を醸し出し始めたので一応話に入れる。


「やっぱ結澄っちは優しいっス!ツンデ『何、もっかいハブられたい?』


ブンブン首を振る黄瀬を一睨みして話を戻る。


『で、知紗のとこは誰と誰?』

『あ、そのことなんですけど…「俺と知紗ちんだよ〜」


ふいに知紗ががくんと沈んだかと思うと上から紫が降ってくる。

見上げると明らかに嬉しそうな紫原が居た。


『ちょっ、紫原君まだ私出ていいかわからないんですから〜』

「俺だって諦めてないっス!!」

「咲良ちんのとこはー?」

『あたしのとこは緑間とあたしなんだけど…。出ていいかわかんないのよね』

「ふーん、だからミドチンちょっと嬉しそうなんだ」


紫原そして知紗は緑間を見下ろすとニヤニヤしている。

それに対し緑間は何故か執拗に眼鏡のブリッジを押し上げつつ咲良のチラチラとみている。

そしてそれを見ている黄瀬の目に敵意のような色が浮かぶ。

唯一何も分からない咲良が理由を追求しようとしたとき音楽担当の教師が入ってきて、結局その話は打ち止めになってしまった。


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