√3xの心拍数


□√1×こっちも忘れずに
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「「………」」



再び凍りついた空気にまたもや反省しつつも咲良は再度口を開いた。



『…そんで、一応このコンテストには三つの賞が与えられるの』



賞、と聞いてピクリと数人が動いたがもう一度怒鳴られるのが怖いのでそれだけに収まった。



『まずは学校全体の優勝、つまり最優秀賞。それから各学年の一位に優秀賞。ちなみに最優秀賞は優秀賞の中から選ばれます』



一旦の間をおいて、また口を開く。



『そして青春賞。これは先生の中での一位のクラス一つに与えられるわ。この賞は優秀賞を与えられたクラスは選外よ』



そして思い出したようにもう一言。



『あと珠央がどーにか予算詰めたおかげで優勝賞品を買う余裕ができたわ。…ちなみに予定ではコレよ!』



咲良は制服のポケットからペラペラのチラシを引きぬいて、突き出す。

そのチラシは中学生や高校生に人気の某有名靴屋の物だった。

その中でひときわ派手に宣伝されている部分を指す。

曰く、夏の限定モデル、と。



『この限定モデル男女二足両方、予約して今日取りに行く予定よ』

「「おぉーーーーっ!!!!!」」


またもや歓声がわき上がる。

そして今度こそ円陣を組み直した。


『…全く、人の話は最後まで聞きなさいよね』

「…あそこまで大人数を捩じ伏せるお前もどうかと思うが」

『何、なんか文句でもあるの?』

「いや、ないが」


黒い笑みで緑間を封殺するとそのまま近くの机に腰をかける。


『てか、あたし出ていいの?ホントその辺曖昧なんだけど』



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