桜/魂


□マゼンタの視界に
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『しーんーすーけっ!次あそこ!』



すっかりと祭の空気に溶け込んでしまったあたし達。


晋助の手を引いて屋台のもとまで走る。


「あ、オイ!!」


“ヨーヨーすくい”とドでかく書かれた場所まで行き、屋台のおじさんにお金を渡した。



「掬えんのかァ?」


馬鹿にしたような声が頭上から聞こえた。



ふっ、今に見ているがいいわ!!





「おぉ!!嬢ちゃん上手いね!!」


屋台のおじさんがあたしに喝采を贈る中、あたしは一つ、また一つと水風船を掬っていった。











『どうよ晋助!!あたしの技術はっ!!』



掬いとった水風船を自慢するように見せびらかす。

と、言っても貰えるのは一つだけだからあたしの手には一つしかないんだけど…




『晋助もやってみたら?』

「やらねェ」



即答で返される。


『あぁ、晋助もしかしてこれ苦手?』



そういえば昔5人で祭行った時下手くそだった気がする。



その記憶は確かだったようで晋助はピシリと顔を引き攣らせた。



「あァ!?そんなわけあるめェ!!」



図星って丸わかりなんだけど。

晋助って何気にわかりやすいわよね。



そう思いながら必死に笑うのを堪えながら、更に晋助を挑発した。



『下手なのにやらない?なんて言っちゃってごめんね』



「!!」



よし、これでスイッチが入ったはず。


腹の中で笑うあたしは性格悪いのかもしれない。



「そこまで言うならやってやらァ!!」




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