桜/魂


□マゼンタの視界に
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「お前ェ…、もうちっと可愛いげあること言えねェのか?」


『は?何よそれ。余計なお世「せっかく綺麗なのによォ」…え?』



急速に頭の芯から熱くなっていくのを感じた。



え、だって今こいつ、え、え…?



「浴衣がな」



『そういう意味かっ!!!!』


一瞬でも嬉しいと思ってしまった自分が恥ずかしい。

しかし、からかわれたとわかっていても熱した方は一向に冷める気配はなく、今も赤くなったまま。


それを悟られないようにあたしは晋助に背を向けた。


『!!』



すると突然肩に手が置かれて、晋助の顔が耳元に近付いた。


「冗談だ。似合ってんぜ?」


囁くようにそう言われて、反射的に晋助を振り払ってしまった。


それをされた当の本人は楽しそうに笑ってるけど…



あーっ、もう!!
赤くなった頬、早く冷めろっ!!!!



ささやかな仕返しのつもりで、晋助を置いて無言でその去ろうとした時



『!?』


今度は手をグッと引かれた。
勿論引いたのは晋助の手。



『なっ、え、あ…っ!?』



晋助は混乱するあたしを一瞥して



「屋台回るんだろ?」



と言った。



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