√3xの心拍数
□√3×忙しさはこれから
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廊下をしばらく進んでみるとやはり、どこもかしこもお祭りモードだった。
色とりどりの中に目立つ赤を発見した。
その横には赤より小さい茶色を発見し、確信に変わる。
『珠央!赤司!どうだったテスト?』
駆け寄って声をかけるとほぼ同時に二人が振り向いた。
先に口を開いたのは珠央のほうだった。
『…出来る限りのことはした』
「俺がしくじるはずがないだろう」
赤司も珠央に続けて言う。
『たっ、確かに…。赤司がしくじるわけないわよね…』
咲良は頬を引き攣らせつつ言う。
『そういえば赤司はこれからどこ行くの?珠央は生徒会室だろうけど』
「俺はこれから音楽室だ。合唱コンクールの練習だとかでクラスに招集がかかって」
合唱コンクール"の単語を聞いて咲良は今思い出したかのように手を叩いた。
『あ〜あったわね。そんなもん。でも皆練習とか言ってなかったし…平気かな?』
ミドちゃん居るし、と付け足したところで階段と出くわし赤司が向きを変えた。
「じゃあ俺は上だから。神城、結澄また」
『…うん。赤司も頑張って』
二人はそのまま廊下を進み、生徒会室のある旧棟へ向かう。
しばらくしたところで咲良が口を開いた。
『あんたのとこはクラスの出し物どうすんの?あたしのとこはお化け屋敷だけど…』
『…チャイナ喫茶の予定。赤司が中心になって進めているから何の問題もない』
『チャイナ喫茶ぁっ?!誰の趣味よそれ?!』
とある旧棟の寂れた廊下に咲良の声がこだました。
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