√3xの心拍数
□√3×忙しさはこれから
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同時刻…
『くぅー…。終わったぁ…』
グーッ、と大きな背伸びをして咲良は再度、机に突っ伏する。
「結澄、テストはどうだったのだよ?」
隣の席から声をかけてきたのは緑間だった。
メガネを押し上げつつ聞いてくる。
『あー、んー…まぁまぁかな…?』
苦笑いと返すと緑間は全く、といった表情で溜息をついた。
まるでお母さんね…と咲良は思ったが口には出さないようにする。
「だからお前はダメなのだよ。テストの前日に足掻くようでは人事を尽くしていない」
『うっ…。そ、それでも上位だからいいのよ!!』
再度ため息をついて緑間が説教を始めようとした瞬間、真っ黒い人影が咲良と緑間の間に割って入ってきた。
「緑間!何ボーッとしてんだよ!!練習行くぞ!」
黒い人影、もとい青峰は緑間の机に手をつくとバシバシとたたき始める。
「騒がしいのだよ貴様は!それに今日からしばらく練習は無いだろう。学園祭の準備があるからな」
イライラした様子で緑間が吐き捨てるように言うと青峰は、はぁっ?!聞いてねぇよ?!と騒ぎ始めた。
「テスト前最後の練習で赤司が言っていたのだよ。聞いていなかったのか」
「聞いてるわけねぇよ!!んだよー…あぁっ練習してぇ!!」
『開き直った挙句無茶なこと言いだしたわね…。あ、あたしもそろそろ打ち合わせ行かなきゃ』
カバンを手に取り教科書を詰めていく。
そして、緑間と青峰を振り返ると
『じゃあまた明日ね。あ!そうだ、クラスの子たちが脚立とガムテ、あと工具なんかを借りてきてほしいって言ってたわよ』
それだけ言って教室から逃げるように出た。(後ろから抗議の声が聞こえたのはこの際無視)
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