桜/魂
□夢の輪郭を
2ページ/5ページ
松陽先生の隣はやはりというか、案の定晋助が占領していた。
『あんたは花火しないの?』
「はっ」
鼻で笑われた。
「んなガキ臭ェことするかよ」
『あんたガキじゃない』
「ガキじゃねェ!!!!」
先生の隣からまったく離れようとしない奴がよく言うよ。
「まぁまぁ。二人共喧嘩しない」
あたしらの様子を見兼ねたのかそう言った松陽先生。
でもその言葉とは裏腹に、表情からはあたしらを本気で止める気はなさそうだ。
『先生は花火しないの?』
そう言うと先生は“そうですね…。じゃあ一本だけ”
そう言って線香花火を一本抜き取った。
あたしが先生に近付くと、あたしの横でも何かが動いた。
『何よ。やっぱり興味あるんじゃない晋助』
先生の手元をチラチラと気にした様子の晋助は、あたしがそう言うと眉間に皺を寄せた。
晋助が何か言おうとした時
「「咲良ーっ!!!!」」
銀時とヅラの声が物凄い足音と一緒に迫ってきた。
『な、何っ!?』
思わず足を後ろに一本退けてしまった。
「「お前花火全部使っただろォ!?」」
グワッなんて音が鳴りそうな剣幕で怒鳴られた。
.