桜/魂
□欲深さは海のよう
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(銀時視点)
「くそッ、また目ェ逸らしちまった…」
あの夢を見てからというもの、あいつを見る度に頭にあの夢に出てきた咲良の姿が散らついて、気がつくと咲良の首筋や胸元、唇に目がいっている。
俺もそーいう年頃なわけだし仕方ねェっちゃァ仕方ねェんだが…
俺の欲求心は人よりも強いのかもしれない
あいつを見てると全部欲しくなっちまう…どころか壊してしまいたくなる
高杉やヅラ、他にもあいつはあの性格からか男子と割と仲が良い
それを見る度一々頭がカッとなって何も考えられなくなっちまいそうになる
「っつっても、そんなの俺の勝手な都合だしなァ…」
咲良は最近の俺の態度の変化に気付いてる。
まぁ、あんだけあからさまに避けてりゃァ嫌でもわかるわな
おまけに俺もあいつも松陽先生に世話になってる、つまり一緒に暮らしてんだ
気付かねェ方がおかしいか
あいつには悪ィと思う
「だあァァァ!?くそッ!!んなこと言ったって仕方ねェじゃねーかコノヤロー!!」
この忌まわしき天然パーマのせいでただでさえボサボサな頭を更に掻きむしってボサボサにする
「マジ情けねェわ、俺………ん?」
フと目に入ったのは
「んだよ…。またヅラと居んのかよ…」
ギャーギャー喚きながらヅラと楽しそうに話す咲良
またモヤモヤとしたモノが胸に沸き上がった。
もういっそ全部奪っちまえば楽になれんじゃねェか…?
無意識に俺の足が咲良達のもとへ向かおうとした時
「オイ、銀時ィ」
後ろから肩を掴まれた。
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