桜/魂
□欲深さは海のよう
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最近銀時の様子がおかしい
妙にそわそわしてると思えばあたしと目があった途端眉間に皺を寄せて顔を背けてしまう。
話しかけてもなんだか素っ気ない気がする
こっちこそ眉間に皺を寄せたい気分だ
『そう思わない?ヅラ』
「ヅラじゃない桂だ」
絶賛最近の銀時の態度とその不満についてヅラに愚痴り中だ
「というか貴様、そんな話をするためだけに俺を掴まえたのか…」
そう言いながらも黙って話を聞いてくれてる辺りがヅラらしい
どっかの銀髪の馬鹿にも見習って欲しいところだ
『はぁ〜…、あたし何かしたかな』
「さァな」
『他人事だと思って』
「実際他人だ」
前言撤回
ヅラもムカつく
寺子屋の机に突っ伏しながら睨み上げればヅラは溜息を吐いた。
かと思えばあたしの頭の上に手を置いて
「あいつにも色々あるのさ」
と呟いた。
『ふーん』
納得いかないが、男子には男子の悩みがあるのだろう
と、妙に大人ぶった思考によりこの話は幕を閉じた。
「…まぁそれは銀時に限った話ではないがな」
小さく呟かれたその言葉はあたしの耳には届いていなかった。
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