To soul in a bind
□Thing to chase that I escape
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「しゃあない、それやったらドアから…」
「無理ですよ、市丸隊長」
現れたイヅルがドアの前に立ちふさがる。
しかし、市丸は臆することなく…イヅルの居るドアに突っ込んだ。
流石にそこまですると思っていなかったのかイヅルは避けてしまい咲良を抱いた市丸は外へと飛び出した。
『今日こそ絶対に仕事してもらいます…』
『珠央?!ギン!右!』
「はいよっ!」
市丸は珠央を右に避けてそのまままっすぐ突き進む。
振り返らずに走っているが珠央が追ってきているのは確かで、したしたと足音が聞こえる。
怖くなると振り向いてしまうのは人の性で市丸が振り向こうとした瞬間、またもや咲良が叫んだ。
『ギン!!前っ、前!!』
「今度はなんや?!」
急いで前を向くとそこには浮竹が居た。
「結澄!市丸!大人しく仕事をしないと神城と吉良が倒れるぞ!」
『「大丈夫です!!あの子は丈夫にできてます!!」』
声を揃えて返すも浮竹も通す気はさらさらないらしく、腰を落として構える。
『えっ、ちょっ、浮竹とか本気でぶつかったらまずくない?!てか病弱なのに何してんのあの人?!』
「ちょお掴まっとってよ」
それだけ言うと市丸は咲良に有無を言わせずスピードを上げた。
そして浮竹に肉薄したその瞬間、大きく跳び上がる。
だが浮竹とて温厚であっても隊長、ギンの足を捕えた。
しかしそれより一瞬早く、ギンが右へと避ける。
『よしっ!!ナイス、ギン!!』
「このまま行くと六番隊やな…。あそこの隊長さんは入れてくれそうにないしなぁ…。どうする?咲良ちゃん」
『いや、大丈夫よ。白哉が相手ならあたしに任せて。…ちょっとした手札があるのよ』
咲良が黒く笑い、ギンは少し怖気を感じたが気にせず、六番隊へと走った。
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