S・novel


□アントシアン上昇中
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本格的な暑さと桜の葉の青さが最盛期を迎えた夏。



あの日からウチの中にぽつぽつと何かが溜まっていく気がした。



今日も図書室へと歩を進める。

今はまだ夏休みだが宿題の手伝いにと週に三回ほど開けているのだ。

ちなみに赤司はいつも図書室に姿を見せる。


と、掲示板の壁新聞に新しい学校新聞を見つけた。

タイトルは


男子バスケットボール部全中二連覇!"


とても中学生とは思えない大きさの男子たちが三列ほどになって並んでいる。

その真ん中には赤司がいた。

男子バスケ部が強いことも赤司が主将ということも知っていた。


写真の赤司から目線を外し、写真の全体を見てみると赤司の横に緑色の髪の男子がいた。


『緑間、真太郎…』


赤司とは違い、髪の色が初夏を示すような緑色をしている。

と、誰かの視線を感じた気がした。

しかし振り向いても誰もいなかった。

気にせず、図書室に向かう。



その日、赤司は図書室に現れなかった。


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