√3xの心拍数
□√2×服装検査〜一日目〜
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検査が終わってからも、黄瀬は生徒会室から出ていく気配はなく、咲良の横に座っている。
それは別に構わないのだが、他の生徒が検査に来る度に駄々をこねる。
おかげで咲良の機嫌も悪くなるばかり。
と、検査し終えた生徒の数が丁度半分になった時、また扉が開いた。
「検査に来たのだが・・・」
扉を開けて入ってきた人物の特徴は緑。
眼鏡を掛けた、緑色。
「緑間っち!!あっ・・・」
黄瀬が名前を呼んだと同時に立ち上がった咲良。
勿論足は緑間の下に向かっている。
『やっほー。みどちゃん。検査はあたしがやるけど構わない?』
率先して自分がすると言う咲良に、黄瀬はやはり駄々をこねている。
そんな黄瀬を一瞥して緑間は
「・・・別に構わないのだよ。というかその呼び方はやめろ」
やはり黄瀬をスルーして話を進めた。
『緑間はまぁ、違反なんてないと思うけどね』
「結澄っち!!」
「当たり前なのだよ。俺はいつも人事を尽くしているのだから」
「無視しないで欲しいっス!結澄っち!!」
『それいつも思うけど関係あんの?』
「結澄っ『あぁー!!!!うっさい黄瀬!!もう何!?』・・・緑間っちじゃなくて俺に構って欲しいっス!!」
まるで子供が駄々をこねるようにそう言う黄瀬に、咲良達は呆れるばかり。
溜息を一つ吐けば、咲良は名簿の緑間の欄に“合格”と書いた後、黄瀬のネクタイを掴み
『珠央!!あと頼んだ!!』
とだけ言い残しては、黄瀬を連れて扉を出て行った。
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