√3xの心拍数


□√2×服装検査〜一日目〜
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『・・・黄瀬の検査は咲良がする?』


一部始終この情景を見ていた珠央が、まるで何事もなかったようにそう尋ねる。



「勿論っス!!」


すれば咲良の意見は完全スルーで黄瀬は話しを進める。


『まぁ、それは構わないんだけど・・・』


いい加減放してほしい。


咲良の表情はまさにそんな感じだ。



『ったく・・・』



溜息を吐いて、無理矢理黄瀬を剥がす。


残念そうにぶつぶつ文句を言っている黄瀬は完全無視の方向で。



『っていうかうちの学校の校則って絶対おかしいわよね』


眩しいくらいに輝く黄色を見詰めてそう言えば珠央は否定はせずただ頷いた。



『普通金髪とか絶対校則違反なんだけど・・・』


しかしながら、帝光中学校ではそれは許されている。


『まぁいっか。・・・黄瀬ピアスアウトね。っていうか何で検査があるってわかってんのに外してこないのよ』



そう言った瞬間、呆れ顔の咲良とは対称的に明るい顔をして、更には犬耳(の幻覚)まで生やして答えた。



「それは勿論結澄っちに会うための口実っス!」


『死ねバカ。あたしの仕事増やすな』


イケメンで、モデルまでして、しかも運動もできる為黄瀬は非常にモテる。


そんな黄瀬にこんなことを言われれば普通の女子ならば赤面で卒倒物である。


しかし咲良はまったく動じたような様子もなく、冷酷そのものの表情と声で言えば黄瀬は涙を流しながら



「死ねって酷くないスか!?結澄っち〜〜!!」



黄瀬にここまで言われて落ちないのは咲良くらいだろう。

と、珠央は頭の中で密かに笑った。



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