S・novel
□両想い以上恋人未満
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「ったく・・・。あの巻き毛、ちゃんと仕事してくれよ・・・」
頭を抱えて、でもしっかり右手は仕事をこなしているリーバー班長。
この図はもう毎日のように見ている。
『リーバー班長。コーヒー要りますか?』
そう尋ねるが返答はわかりきっているので、コーヒーカップを邪魔にならない場所に静かに置いた。
「あぁ、いつも悪いな」
ソッと取っ手を持ちコーヒーを口に運ぶリーバー班長。
あまりにウチがリーバー班長を見ていたせいか、リーバー班長は走らせていたペンを一先ず止めてウチを見る。
「・・・そろそろ休憩でもするか」
体をグーッと伸ばしながらそう言うリーバー班長。
かと思えば今度はコーヒーを一気飲みし始めた。
ゴクゴクリと揺れる喉仏。
やがてコーヒーを飲み終えでカップをたたき付けるように置いたリーバー班長はその勢いのまま立ち上がりウチに近付いてくる。
『!』
ポンッと頭に手を置かれたと思えばやんわりと撫でられた。
髪の抵抗に逆らわないように撫でられて、とても心地好い。
少し頬が紅潮していくような気がしたが、自分の無表情さにかまけて気にしないようにした。
そんなウチをリーバー班長は柔らかく笑い
「いつも悪いな。気を遣わせて。俺を癒してくれるのはお前だけだ」
無表情だからと油断していた自分を殴りたく思えるほど体の温度は上昇している。顔も真っ赤・・・。
『逆です・・・。ウチを癒してくれるのがリ、リーバー班長・・・です///』
気恥ずかしいからだんだん声が小さくなっていって、代わりに視線でそう伝える。
うまく通じたかはわからないが嬉しそうに笑ったリーバー班長の様子からきっと伝わったのだろう。
「ありがとな」
髪を撫でる手が止まったと思えば強い力で引かれて、ウチはリーバー班長の腕の中に閉じ込められた。
「・・・休憩終了」
放された体が少し寂しく思えたが今はそんなことを気にしてる余裕はなさそうだ。
(あー・・・あれはヤバかったわ。反則っ///・・・って室長!!仕事して下さい!!!!)
(リーバー班長・・・///)
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