桜/魂
□業火に飛び込むその思い
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「帰れ…!!!!!
ここはてめェのいる場所じゃねェんだよ…ッ!!!!!」
吐き捨てるかのようなその声は
どこか切羽詰まったような印象で
その顔はあたしを睨み付け、歪められている。
有無を言わさないようなその様子に一瞬怯むがあたしだって言いたいことはある。
『ッるっさいわねっ!!!!!
なんであんたにそんなこと言われなきゃなんないのよ!?!?!?
あたしがどこにいようとあたしの勝手でしょ!?!?!?』
「てめェがここにいちゃァ迷惑なんだよ!!!!!!!!!!
刀なんか持ちやがって…!ふざけんじゃねェ!!!!!!」
『ふざけてんのはどっちよっ!?!?!?
女が刀を持ってちゃそんなに悪いわけ!?!?!?
言っとくけどね!!あんたが思ってるほどあたしは弱くないっ!!!!!』
「そういうこと言ってんじゃねェんだよッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」
怒涛のような言い合いの中、今までで一際大きな声を張り上げられた。
思わずビクリと体が震えた。
そんなあたしを、銀時はジトリと睨み付ける。
その目は所々に出来たあたしの傷痕に向けられているようだった。
『な…、なによ…!』
負けじと睨み返すも銀時はまったく意に返していない。
あたしにもハッキリと聞こえるほど、チッと大きく舌打ちをした銀時はクルリと踵を返して何処かへ歩いていく。
『ちょっ…!銀と…「帰れッ!!!!!!!!!!!!!!!」
もう一度
そうハッキリと突き付けられたその言葉は
広い海を背景に
ポツリと佇むあたしの胸の中を
いつまでもえぐった。
握り締めた手のひらに爪が食い込む。
あたしだってわかってる
刀を振り回してあんたらと同じ戦場に立つことがどれだけ過酷なことかってことも、あたしはそれを誰にも望まれていないってことも
あんたらに死ぬほど心配かけてるってことも…っ
でも…!!!!
『っ…生半可な気持ちで此処に立ってんじゃないのよ…!バカ銀時…』
そう溢すあたしの言葉は
銀時の白い背中には届かなかった。
業火に飛び込むその思い
(あんた達と同じ場所にいたいというこの気持ちは)
(そんなに悪いものなの?)
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