桜/魂
□飴色の憂鬱
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「え、咲良?てか何…お前その恰好…?」
驚いた様子で銀時はあたしを上から下へ見渡す。
ちょっ、恥ずかしいからあんま見ないで欲しい…!!
『色々あって…』
「へぇ…。色々…」
『うん』
「ま、まぁ良いんじゃねェの…?」
『! あ、ありがと…』
何この空気いいいっ!?
それに、銀時がこんなこと言うから何か調子狂う…。
何故か熱くなった頬を隠すように銀時から顔を背ける。
お互い目線を逸らしたまま沈黙が続いた。
そんなよくわからない空気に耐えられなくなったあたしは
『…ね、ねぇ。髪、銀時が結ってくれない?』
「ハァッ!?!?」
バッとこちらに勢いよく振り向いた銀時の様子に“言葉の選択間違えたっ!!”と焦る。
けど、言ってしまった以上後には退けない。
『しょ、松陽先生がいないんだから仕方ないじゃない』
キッと一睨みしてそういうと銀時は何やら“マジでか…”とか“え、これ何、どういう状況…?”とか“嵌められた…”とか、小さく一人言を続ける。
その様子をジッと見ていると、銀時は急にあたしの肩を掴んだ。
「っし。とりあえずそこに座れ!落ち着け!!」
いやあんたが落ち着け。
「大丈夫。俺に任せなさいっ!!」
何が大丈夫なのか、わからないけどどうやら髪を結ってくれるようだ。
さっきの変な空気もすっかり消えたことに少し安心しながら、銀時に指定された場所に座った。
『よろしくお願いします』
「おぉっ!!」
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