桜/魂


□水銀に溶けて
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『…はぁ……』


一人取り残されたあたしはする当てもなく途方に暮れた。


『風呂、入ろ…』



まだ朝だけど、銀時と試合して汗かいたし。



そう自己完結をしてあたしは足を入浴場へ向けた。







――――――
――――
―――





ガラリと、鈍い音を立てて開いた扉



その扉に鍵を懸けたのを確認して服を一枚一枚脱いでいく。



白いバスタオルを身体に巻いてお風呂の扉を開けると


「は、え、ちょっええぇぇぇっ!?」


まさしく今のあたしの気持ちを代わりに発した男の声、銀時の声。



「え、ちょ、何で咲良がっ!?ま、待て!落ち着け俺ェェ!!」



お風呂に響いた銀時の大音量の声に漸く今の状況を理解する。



落ち着いた体を装っているけど、段々と指先から熱くなっていく。


頬だけじゃなくて体中が真っ赤になって気付いた時には近くにあった風呂桶を銀時の顔面向けて投げつけていた。


「ぐほァ…ッ!?」



その風呂桶は見事銀時に命中して銀時はお湯の中に沈んだ。



『…!ぎ、ぁごめんっ!!銀時!』



慌てて銀時をお湯から引っ張り上げる為に近付くが



『…、きゃあぁぁぁぁっ!?』



お湯の中に倒れたせいで銀時の腰に巻いていたタオルが取れて覗いたアレに思わず声を上げてしまった。








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