桜/魂


□追憶の灯を
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「おぉ!!すっげー!!」


紺碧の空に散らばる星々を見上げながら銀時はそう言った。





季節は初夏が過ぎようとした夏。

あたしが寺子屋へ来てから三ヶ月が経った今日、銀時が夜中に星を見に行くことを提案した。




夜遅くだし、勿論松陽先生は反対するだろう。

そのことを小太郎もあたしも晋助も気にしていたが、結局こうして銀時と共に黙って抜け出してきたのである。




『本当!凄い絶景…』



あまりの美しさについ感嘆の言葉を漏らした。



ゆっくりと、空を見上げながら座れば、あたしにつられて皆もその場に座り込んだ。



「真っ暗だな…」



小太郎はあたし達が来た道を見てそう言う。


確かに木々の影のせいで真っ暗闇になっていて灯など一つもない。



しかしそれに恐怖や不安はまるでない。


言い出した小太郎の顔も何処かふっ切れたようにしてこの壮大な空を見上げた。




星が降って来そうな夜空がとても幻想的に思えた。






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