桜/魂


□追憶の灯を
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暫くして、皆を抱きしめる手を解いてあたしも横になる。


真っ直ぐ見上げる夜空は何度見ても見惚れるくらい綺麗。



『…絶対離れて行かないでね』


初めて松陽先生と出会ったあの日に見た自分の記憶の一部。


何かに追いかけられていて、血濡れた今より大人のあたしが倒れていたあの記憶。


そんなことを銀時達が知ったら離れていってしまいそうで思わず隣にいた銀時と高杉の手をギュッと握る。


横を見ると固く目を閉じて安らかに眠っている三人の顔があった。



余りに安心した顔の三人を見ていると不安は一気に姿を消して、笑みが零れた。


と、その瞬間握りしめていた二人の手がギュッと力を増してあたしの手を握り返した。



…ありがとう。



大好きな大好きなこの場所。
いつまでも変わらずに居られることを…



松陽先生、あの時あたしを助けてくれてありがとう。

あの時一緒に来いと言ってくれてありがとう。

皆に合わせてくれて、ありがとう…。



もう一度この空を見上げてから、あたしも三人のように目を閉じて静かに眠りに落ちた。




追憶の


(無邪気に笑い合ったこの日々がずっと続くと)
(ただ信じていました)



「…まったく。こんな所で寝ては風邪を引きますよ」






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