To soul in a bind
□Refuge place
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コンコン…
帰れと言われたにも関わらず、断固として動かない姿勢を咲良が示していると執務室の扉がノックされた。
「ほら見ろ、神城が…『違うわ。これは…ギンね!』
「さっすが、咲良ちゃんやわ。大正解♪」
扉の向こうからするっと入り込んできたのは三番隊隊長の市丸ギンだった。
冬獅郎の苛立ちをものともせず、いそいそとソファに腰掛けるやいなや乱菊に緑茶を頼む。
「市丸…テメェ、何しに来やがった…」
「何って、脱走に決まってるやろ?いつものことやないの」
「ここは保育園じゃねぇ!!」
あっけらかんと言ってのけたギンに冬獅郎が食ってかかる。
『ってことでシロちゃん、あたしたちはもうここから動かないから』
「じゃあ、隊長のドジな話でも暴露しちゃおっかな〜」
『いいわねそれ!』
「お、ええやんそれ」
「よくねぇよ!」
プチ宴会状態の三人を止める術もなく冬獅郎は机に突っ伏する。
と、ここでひとつ思い浮かんだ。
「そういえば結澄、市丸、お前ら逃げてきたんだよな?」
咲良とギンはほぼ同時に頷いた。
そしてギンはこう付け足した。
「今頃、イヅルが探し歩いとる最中やろうな」
「雪村は神城をどっち方面に飛ばした?」
少し思案顔になると、
『ん〜…。十三番隊方面?』
咲良のその言葉に冬獅郎は内心ほっとした。
「(それなら、こいつらも案外早く帰ってくれるかもしんねぇな…)」
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