桜/魂


□歪んだ奇跡
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ブワァァァ


真っ暗な視界から一変して淡いピンクが視界を埋め尽くす。



『…桜?』


それが“桜”だと気付いた時には既に

あたしは死体の山の中に一人立っていた。



『何…これッ!?』



フと紅く濡れた自分の身体を見る。



『子供…?』


なんであたし、子供に・・・?


あれ?


あたしって・・・?



『結澄咲良…』


わかるのは己の名前だけ…。



『あたしはいったい…』



「お嬢ちゃ〜ん?どうしたのぉぉお?」



嫌らしく不快な笑みを浮かべる男が数人あたしの周りに集まってきた。


男達の手にはあたしと同じく紅に濡れた刀が握られている。


己の存在も、この場所も、何もわからないが


“この男達は危険”


それだけはわかった。


男達の手があたしの肩に触れたのを合図に、あたしは男の手に噛み付いたあと一心不乱にその場から逃げ出した。




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