桜/魂


□はらり ひらり
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『はぁ‥っ…はぁっ‥‥ッ』








アカ




「あっちへ逃げたぞォォ!!捕らえろ!!」



あたしが通った跡には赤が綴られている…。




ここまで、か…



嫌だッ…!!


まだ……まだ…





まだ…



――――――――――――――――



「咲良〜!早く!!始まっちゃうよぉ?」



あたしを急かす声が聞こえる。



『ごめんっ!先に行ってて!!』

「了解〜」


今日は皆既月食が起きる。

だから今あたしは、友人と、夜桜と共にそれを見に行く為に準備をしている。




しばらくして準備を終えて、友達を追いかける。



すると急に空が黒く闇に包まれ始めた。




『ヤバっ!もう月食が始ま……!!!?』



キキィィィ



迫る音


真っ白に染まる視界



壊れはじめるあたし



全てがスローモーションに動く。



抗う術を持たぬまま、


次の瞬間にはあたしの身体は宙を舞い


紅く染まっていた。




怖い…。


あたしの赤に比例して意識が薄れて逝く。


嫌だっ、怖い…!


まだ





まだまだまだまだまだまだまだまだまだ…っ


まだ…



『『死にたくない…っ!!』』



何故か自分の声が二つ重なって聞こえた。






そして世界は完全に闇に包まれた−…


はらり らり

((交わる世界…

全ては此処から始まった))


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