√3xの心拍数
□√1×こっちも忘れずに
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いつもの担任の硬質な声が響く教室。
最低限の連絡事項を告げて教室を出ようとした時ふ、と思い出したように足をとめた。
「あー…結澄!!例のコンテストのことみんなに伝えて昼までに決めておいてくれ!」
『えっ?!先生無責任すぎ?!』
しかし無情にもガシャン、と扉は閉められた。
そうなればもうここはただの動物園である。
「咲良ちゃん!!コンテストって何?!」
「あ!学園祭じゃね?今年の生徒会の出し物か?」
「去年は女装コンテストだったしね」
口々に各々の見解を述べる人だかりから咲良は抜け出して、教卓を思いっきり叩きつける。
『とりあえず黙んなさい!!』
「「………」」
『え、何その沈黙…?!』
静かになりすぎると逆にイヤなんだけど…と言いつつも溜息一つで気持ちを切り替える。
『えっ…と、今年の生徒会の出し物が“クラス対抗美男美女コンテスト”に決定しました!!』
「「美男美女コン、キターーーーー!!!!!!」」
そう告げた瞬間教室のボルテージはマックスになった。
キャアキャア騒いでいるのが大半だが緑間はうるさそうに眉をひそめているし、青峰も睡眠の邪魔だと言うように眉間にしわを寄せている。
そして今度はクラス全員で円陣を組むようなフォーメーションになり始めた。
「やっぱ女子は咲良ちゃんだよね!!」
「男子は…青峰か緑間?」
「緑間君の方がよくない?インテリカップルみたいな?」
「青峰だろ、そこは!」
『ちょっ、あたしは生徒会だから参加していいかどうかはわかんな…「「咲良/ちゃんは黙ってて(ろ)!!」」
その一言で朝の眠気とともに上がっていた咲良のイライラメーターが振り切れた!!
『あ゙?黙れ?誰に口聞いてんのよ。人の話は最後まで聞きなさいよ?』
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