√3xの心拍数
□√3×忙しさはこれから
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キーンコーンカーンコーン…
いつもいつも我ら学生を救う授業終了のチャイム。
しかし、今日はいつも以上に学生たちを救った。
なぜなら…
『よし!終わりましたぁぁっ!!学園祭の準備が私を待っていますっ!テストなんてもう知りません!!』
真っ先に椅子を鳴らして知紗が立ち上がる。
そう、今日は1学期中間テスト最終日。
そして午後からは学園祭の準備で体育祭と並び、帝光生のテンションが上がる時期である。
「ちょぉっと待った雪村っち!!」
『なんですか?黄瀬君』
その知紗の前に立ちふさがったのは黄瀬涼太だった。
「テストなんて知らないってまた空欄ばっかだったんスか?!流石にそれはヤバいっスよ!!」
『黄瀬君だって同じもんじゃないですか!!私だって頑張ったんです!っと生徒会に遅刻しちゃいます!!また明日、黄瀬君!』
早口にそういうと雪村は疾風の如く、教室から出て行ってしまった。
唖然とする黄瀬の横に紫原が寄ってきた。
「知紗ちん、相変わらず大忙しだね〜」
「忙しいのは分かるんスけど…。テスト悪かったら補習って分かってるんスかね…?」
「ん〜?わかってないんじゃない?知紗ちんだし〜」
やっぱり…といった調子で肩を落とす黄瀬を紫原はフォローすることもなくその場でチョコレートにかじりついていた。
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