√3xの心拍数


□√3×忙しさはこれから
1ページ/5ページ




キーンコーンカーンコーン…



いつもいつも我ら学生を救う授業終了のチャイム。

しかし、今日はいつも以上に学生たちを救った。

なぜなら…



『よし!終わりましたぁぁっ!!学園祭の準備が私を待っていますっ!テストなんてもう知りません!!』


真っ先に椅子を鳴らして知紗が立ち上がる。

そう、今日は1学期中間テスト最終日。

そして午後からは学園祭の準備で体育祭と並び、帝光生のテンションが上がる時期である。


「ちょぉっと待った雪村っち!!」

『なんですか?黄瀬君』


その知紗の前に立ちふさがったのは黄瀬涼太だった。


「テストなんて知らないってまた空欄ばっかだったんスか?!流石にそれはヤバいっスよ!!」

『黄瀬君だって同じもんじゃないですか!!私だって頑張ったんです!っと生徒会に遅刻しちゃいます!!また明日、黄瀬君!』


早口にそういうと雪村は疾風の如く、教室から出て行ってしまった。

唖然とする黄瀬の横に紫原が寄ってきた。


「知紗ちん、相変わらず大忙しだね〜」

「忙しいのは分かるんスけど…。テスト悪かったら補習って分かってるんスかね…?」

「ん〜?わかってないんじゃない?知紗ちんだし〜」


やっぱり…といった調子で肩を落とす黄瀬を紫原はフォローすることもなくその場でチョコレートにかじりついていた。


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ