√3xの心拍数


□√1×服装検査〜予備日〜
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『眠いです〜』

「雪村ちゃん、しっかりしいや!!」

『だいたい、私は朝に弱いんですよ〜!!』

「…雪村ちゃん、今昼やで」


今現在の時刻は午後一時ちょうど。


今日は服装検査の予備日である。

予備日は当日とは違い、朝六時登校とかいう過酷なものではなく、普通に朝の休み時間から始まる。


その検査も半日を過ぎ、残すところあと数人に迫っている。


と、生徒会室のドアが控えめにノックされて開いた。


「知紗ちゃ〜ん!検査来たよ〜!!」

『あ、さつきちゃん!!』


ピンク色の髪を揺らしてきたのはバスケ部のマネージャーであり、知紗たちの友達でもある桃井さつきだった。


「ごめんね〜知紗ちゃん。昨日は忙しくてこれなくて…」

『いえいえ。昨日は私、担当じゃなかったんです。だから今日さつきちゃんがきてくれてうれしいです!!』


じゃあ、検査しますね!と雪村は元気よく言って桃井の周りをくるくると回る。


『ん、OKです!さつきちゃん!!』

「ホント!!ありがとう雪村ちゃん!…あと何人くらい残ってるの…?」


と、桃井は長机に手をつき、名簿を覗き込んできた。

しばらく見つめているとあっ!と声を上げた。


「大ちゃん、まだ来てない!!もう、絶対忘れてるよ!!」

『あ、ホントです。青峰君まだ来てませんね。早く来ないともう来る時間ないんじゃないですか?』

「そうかも。放課後は部活だし…。じゃあ私が呼んで来るよ!!」


雪村が引き留める間もなく、桃井は猛然とダッシュしていってしまった。


『さつきちゃんが連れてきてくれるから青峰君はきそうですね』


名簿を眺めながら雪村は残りの人数も確認した。


『あれ?黒子君がまだ来てませんね』

「…僕ならここにいますけど」



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