To soul in a bind
□Thing to chase that I escape
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咲良・市丸捕縛部隊の隊員もとい参謀職・浮竹十四郎はまず先遣隊を行かせることにした。
「先遣隊、いいですね…!!」
イヅルもそれに賛成する。
コクリ、と頷きながら珠央は尋ねた。
『それで、誰を向かわせるんですか…?』
「もう呼んだから、今に来ると思うが…」
浮竹が言い終えるか終えないかくらいで足音が響いてきた。
「「ただ今参りました!!浮竹隊長ォーっ!!!!」」
顔を見なくても誰だか一瞬で分かった。
『小椿・虎徹三席ですか…』
「あぁ、二人ならきっと見てきてくれるはずだ」
満面の笑みで浮竹は二人を招き入れるとこれまでのいきさつを話し始めた。
「それで、二人にその先遣隊を頼み…「「やります!やらせて下さい!!」」…そうか、ありがとう」
案の定二人はお互いに我先にと先遣隊を承諾してくれた。
少し浮竹がレクチャーしたのち二人は風のようにまた我先にと去っていった。
「よし、じゃあしばらく休憩にするか」
いそいそとお茶の準備をし始めた浮竹を珠央とイヅルが、やりますから、と止める。
「いや〜それにしても今日も平和だなぁ。十四番隊に三番隊が居るから平和を感じられる。ありがとう、神城、吉良」
「はぁ…。僕たちにとってはただの苦労でしかないんですけどね…」
同意を求めるように吉良が珠央に視線を投げる。
が、返ってきたのは違う返事だった。
『…嫌な予感がする』
「へ?」
『先遣隊が突破される予感がする…』
ゆらり、と珠央は立ち上がると雨乾堂のすだれを持ち上げる。
『浮竹隊長。ウチも少し気になるので十番隊まで行ってきます』
「今行けばバレるかもしれないぞ」
『その時はそこで捕まえます』
ただ上司が逃亡しただけなのに捕縛に力を入れるのは相当仕事が溜まっているからだろう。
『行ってきます』
「あ、じゃあ僕も…!!」
「あぁ、行って来い。頑張れよ」
そうして二人の死神は十番隊隊舎へと消えた。
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