wheel open cordiality
□第零廻
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「星が綺麗だ…」
丘の上に一人の少年が居た。
星空を見つめ続けるマントの少年。
「…おや??」
少年は何かを見つけた。
とても儚げで壊れてしましそうな一人の少女だった。
巫女の姿をした少女は星空を見上げ声もなく泣いていた。
−フワッ−
「どうしたんだい??」
『Σ!!』
「そんなに驚かなくたっていいだろ(笑)…君、名前は??」
『…智里』
「智里かぁ…いい名だ。どうしてこんな所で泣いてるんだい??」
『…神社が襲われたんです…でも私じゃどうしよもなくて…私は逃がされたんです…私が弱いからみんなは…(泣)』
「君は…強くなりたいのかい??」
『!!(コクリ)』
「なら、僕とおいで。君を強くしてあげる。誰よりも…そして僕の力になってくれないかい??」
少女は差し出された手をとった。
強くなるために。
闇に差し込んだ光を掴むように。
「(ニコ)僕はハオ。いずれ王になるものだよ。よろしくね、智里」
少年が興味本位で仲間にした少女。
この出会いが未来に待つ大きな歯車を廻し始めた事を誰も知らない。
本人も気付いていない少女の力も。
少年が抱いた興味も意味も。
まだ誰も知らない。