pale cherry blossoms...
□縁側
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「あ…天霧さん。風間さん、知りませんか?」
「「部屋には居ないのですか?」」
「はい…」
「「離れの縁側は行きましたか?」」
「いえ、行ってません」
「「恐らく縁側でしょう。行ってみて下さい」」
「はい。ありがとうございます」
-縁側-
「風間さん…?」
『…(コクリコクリ)』
「座ったまま寝てる…」
『…(カクン)(ビクッ)』
「可愛い…。最近お疲れでしたもんね…」
『…(ドサッ)』
「!!!…倒れたのに起きない…まだ暫くお休みなられてるかな…?残ってる家事済ませて、毛布でも取ってこようかな…」
-数時間後-
「思ったより遅くなっちゃった…」
スーッ(戸を引く)
『誰だ…』
「あ…起きてらっしゃいましたか」
『起きたも何も寝てなどいない…』
「でも…さっき来た時は…」
『寝ていたとしても、お前が入ってきて気付かん訳がないだろう…。お前の方こそ寝ぼけていたのではないか…』
「確かに寝てました!!」
『ふん…下らん。特に用がないのなら行け。(プイッ)』
「あぁっ!!」
『なんだ…急に叫ぶな…五月蠅い女だな…』
「ふふ…ちょっと待ってて下さい」
タッタッタ
『なんだ…あいつは…』
タタタッ
「お待たせしました!!(スッ)これ見て下さい」
『鏡か…』
「鏡です。ちょっと右向いて見てください」
『なんだと言うんだ…鏡を見たところで何も…!!』
「顔に畳の後が付いてますよ。寝てた証拠です」
『…ふん』
「次からはここにも枕と布団を用意しますね」
『勝手にしろ…』
「はい」
…後日談
翌日から度々、縁側で一つの長枕・一つの掛け布団で眠る風間夫婦が見受けられたそうな。