幻影の書
□e 微妙な関係
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今日は久しぶりの休日だった。
サスケは班も違い、なかなか会えないシカマルの元へと向かっていた。
二人の仲は恋人…と呼ぶには深過ぎて、友達としては軽過ぎる……そんな微妙な関係。
無理矢理にシカマルを抱いてみても、やっぱり変わらぬ距離。
ぼんやりとそんなことを考えながら、ふと耳を澄ませば、楽しそうな話声。
「……ってば。そんでカカシ先生のそん時の顔ってば」
「へへっ…見て見たかったなその顔」
「見せたかったってばシカマルに」
「まぁナルトとは班が違うからな…」
「一緒なら楽しさ倍増だったってば」
「任務楽しくてどうすんだよ」
頬を染め、眉間にはいつものシワを刻みながら楽しそうに笑うシカマル。
「…ぁ!?サスケだってば…」
「……ん?…ぁ、ホントだ。」
「…………」
サスケは手を上げ近寄って来るシカマルにクルっと回れ右をし、背を向けるとそのまま走り去っていってしまった。