忍びの書
□e 雨のち微熱
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さっきまでは晴れていたと言うのに…空が曇り始めたと思ったら、急に雨がふりだした。
いきなりの雨だった為、俺は傘を持っておらず小走りに家路に急いでいた。
雨が顔にかかり、前がよく見えない。俯きながら走っていたが、ふと見上げるとこの雨の中ふらふらと歩いているシカマルが見えた。
…実は俺…日向ネジは、一期したの後輩…奈良シカマルに惚れていた。
あいつの雰囲気に引かれる…。あの細い腰や声、綺麗な顔、仕草…すべてに心が奪われ、目が離せなくなる。
シカマルにモーションをかけてくる奴は皮肉にも以外と多い。だからあいつの周りには、自然とたくさんの人が集まってくる。
だか、今日は一人だった。
「……だりー…。寒みぃ…雨降るなんて言ってたかよ……」
よくは聞こえなかったが何やらぶつぶつと文句言いながら一人、歩いている。
珍しいこともあるものだ…。と、シカマルを見ると顔がいつもより赤く見える。
いやいつも見ているわけではないぞ決して……
雨に濡れたシカマルは、ぽたぽたと髪から雨の雫を滴らせていた
俺が、声をかけようとするとシカマルは勢いよく、ばたっと倒れてしまった。