―龍の孫娘―

□肆
1ページ/2ページ



神社から帰るため、ゆらと二人で石段を降りていた



すると、下から石段を登ってくるスーツを着た男達



(この気配……)
男達を目にした翠雨はすぅと目を細めた


「鼠が何のようだ。
ここが龍神様の土地だと分かって来ているだろうな?」


そう言うと、池の方へ手をかざし、水を宙に浮かせ体の近くに持ってきた



「まぁ、そう警戒すんなよ」

ニヤリと笑う男


「鼠……旧鼠か?…」

ゆらも警戒し式神を構えた


「ちょっと、お前等には餌になってもらう…やれっ!!」


部下たちが二人に襲いかかった

「いくで、翠雨!!

出番や!!うちの式神!!」

シュッとゆらは手にしていた札を投げた


すると、その札から大きな狼が現した


(狼か、それにしても大きいな)


翠雨はまさかのゆらたちの力を見て呆然としてしまっていた

「あいつらネズミや食べてしもて」

狼は待っていましたと言わんばかりに鼠どもに食らいついていった


「うわぁぁあぁ」
ガブッ
バキバキ



(うわ、凄いな…かなりグロテスクなんだけど…)


ガッ

翠雨はゆらたちに見とれていたため後ろをとられ抑えつけられた

「しまっ!!」

抑えつけられた翠雨に気付いたゆらが駆け寄ろうとした



が、後ろから殴られゆらはその場に倒れた


「ゆらっ!!(こいつっ)」


翠雨をうしろから押さえていた奴が宙を舞った


翠雨が投げ飛ばしたのだ

続いて、近くに奴には回し蹴りをし木に叩きつけた


「グハァッ」

思いっきり蹴られたらしく
ピクリとも動かない


旧鼠のもとへ行き同様に回し蹴りをした

だか、
旧鼠は受け身をとり後ろにさがった


「なに、危ないじゃんかよ殺す気?」


「当たり前よ。殺す気でいったもの」


ゆらの元へ行き、
近くの木にもたれかけさせた。
「今度は私が相手よ…
せいぜい、楽しませてね」


そこには、いつもの笑顔ではなく、黒々としたオーラを纏っていた



翠雨の髪の色が徐々に金色へと変わり、着ていた服も白の着物に変わった



「あぁ〜君が最近来たって噂の龍組の二代目か、結構かわいいね」

翠雨は鋭い眼差しで睨んだ

すると

コツコツ


旧鼠が歩み寄ってきた

「それ以上近付くな!!」

翠雨は旧鼠の足元に何かを投げた


バチッ
シュー

突然、地面がシュ〜と音を立てていた


見るとそこには穴が開き少し焦げていた

翠雨の右手を見ると
バチバチと音を立て、時折紫電が見えた


「それ以上近付くな!!鼠風情が、次は当てる」


さっきよりも低い声で言った。
いつの間にか翠雨の手には新たに紫電、雷刀が握られていた

右手には槍状の細長いものが、左手にはナイフほどの長さのものを三本、指の間に挟んでいた
「てめーよくもやってくれたなぁ!!」


すると、四人の男たちが迫ってきた

翠雨はナイフの一本を先頭にいた男に向かって投げた

シュッ
ブソッ
バチバチ

「うあぁぁー」
シュー

バチバチと音をたて、煙を立てながら倒れた

続いて残りの二本も投げた
シュッ
ブソブソッ
バチバチ

「「うあぁぁー」」
シュー
二人も倒れた


どこからか肉を焼いたような、焦げ臭いにおいがいた


最後の一人は右手に持っていた得物で切り裂いた



するとほかの三人とは違い、炎を上げて燃え上がり倒れた


「ねずみの丸焼きね」

ニコッと笑う翠雨に旧鼠はギリと唇を噛んだ




次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ