―心なき歌姫―

□初めの始まり
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気がつくと白い天井があった



「ここは…」

一人呟いたはずなのにすぐ近くから答えが返ってきた



「ここは、病院デース」


ぽっちゃりとした体型にサングラスをかけたおじさんが扉の近くに立っていた



体が怠く起きあがることが出来なかったので首だけ向けることにした

「あなたは確か…」


「ミーはシャ「シャイニング早乙女さん!?」そーデース。そして、人の話は最後まで聞きましょー、Mis霜月」



「すみません…」


ついつい目の前にあの有名な人物がいるものだから興奮してしまった




「どうして貴方がここにいるんですか?」

そう、月夜とは全く面識はないのに突然現れたのだ



「それはYOUを引き取るためデース☆YOUは親戚とは離縁状態と聞いていマース。だから、ミーがYOUの新しいFatherになりマース」

新しい父という言葉に自分が置かれている状況を嫌でも思い知らされた






「あの…父と母の葬儀は?」

一気に暗い表情になってしまった月夜


「君が目を覚ましたらやるつもりだったので明日行います。」

流石に普段の間延びした口調ではなく普通に話すシャイニング


「明日、動けるように今日はしっかり休みなさい。手配はこちらでやりますから」




「…分かりました。ありがとうございます」



ベットに居ながらも会釈をした
「では、明日迎えにきますから」


シャイニングはそう言い残し病室を出ていった





シャイニングが出て行ってから月夜は空いている窓の外に視線をやる



外では青付き始めた木の葉が風と戯れ、病室内にも風が吹き抜けた
そこであることに気がついた

風で靡く黒髪が毛先から白銀に変わりつつあったのだ


 あぁ、色が抜けた…。黒、気に入っているのにな…戻るかな?




あぁ、そうだ。今度ちゃんとシャイニング早乙女さんに挨拶したいと…

あっ、そう言えばあの時の男の子にもお礼を言わないとな…どこかで会えるかな?

 
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