―心なき歌姫―
□初めの始まり
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○○side
仕事の帰りの道路で事故があった。様子を見に行くとそこにあったのは…
道を塞ぎ炎上する車。あたりはガソリンの臭いが充満していました。
そして、炎上する車を見つめる黒髪の女の子。いや、女の子と言う年齢では無さそうです。私と対して変わらない年齢でしょう。
傷だらけの彼女の口元がわずかに動き、ふらふらとした足下で立ち上がった
何をする気でしょう?早く逃げないと爆発に巻き込まれる可能性が…
あろうことか、彼女は燃える車に近付いていきました
無意識でした。気がつくと私は彼女を抱き止めていました。
近くで見ると、綺麗な顔と白い肌が傷だらけになっていました。
「嫌!!離して!私もお父さんとお母さんの所に行くんだ!!
2人は苦しんでいるのに私だけ生き残るなんて」
あぁ、なるほど。両親を…。でも、あの炎では恐らく…。
今なお、私の腕の中で暴れる彼女に私は思ったことを言っていく
すると、パタリと動きをやめて地面にへたり込んだのを慌てて支えた
すると彼女は涙を流しながらこう言いました
「私が…あの時、歌を…歌を歌ったせいだ…。だから、こんな…こんなことになったんだ…。私のせいだ…。ごめんなさい…お父さん…お母さん。」
歌…ですか。いったい何があったのでしょうか?
私には関係のないことなのに彼女のことが心配に思うのは何故でしょうか…。