稲妻

□強がり。
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→※バーン視点  胸焼けするほどゲロ甘い



「・・・あぁ、さみぃ〜」

窓の外に目を向けると全てが、雪。

ただでさえ寒いのに

 隣には・・・

「おいガゼル、寒くないのか?」

冷気ただようこの部屋で、ノースリーブの上

本日三本目のアイスを口にしている奴。

見てるだけで寒気が増す


『こんなんで寒いなんて言ってるんじゃ、君もまだまだだね』


「風邪引いてもしらねーからなー」


『私を誰だと思ってる。人間の病気などに感染はしない』



むしろ暑いくらいだ。 などとつけたすコイツに

そういうあなたも人間ですけどね、という突っ込みはあえてせず

 痛々しい目でガゼルを見ていると

・・・ん?

『なんださっきからじろとじろ、気持ち悪いな』


「お前、めちゃくちゃ鳥肌だぞ。やっぱ寒いんじゃ…」


ガゼルはもともと色白なので
肌の変化があるとすぐにわかってしまう


『そ、それは君が隣に居るからだ』


「なΣ、ケンカ売ってのか!」


『うるさい。すぐ熱くなるな』

一瞬、慌てた顔を見せたが
 すぐにいつもの生意気なガゼル


ちょっとイラっときたので
唯一の暖具だったストーブをけしてみたりなんかして


『…なんだ、消したのか』

「あぁ、凍てつく闇が大好きな誰かさんは暑いらしいからな」

ニヤッと笑って見せる。


しばらくはなんともなかった俺だが、

(こんだけ着込んでる俺でもこんなに寒いのに、ほんとに大丈夫なのかよ…)

だんだん罪悪感が湧き上がってきた



もう一度ガゼルを見る
…少し震えている。


ったく、この馬鹿



何も言わずそっとガゼルの肩に手を回すと

すこしビクッとなった


「なに強がってんだ。寒い癖に」

そのままぎゅっと抱き寄せた

『強がってなどない、余計なお世話だ』

そんな憎まれ口を叩きながら、俺の服の袖をぎゅっと掴んでくる 

(いつもこんなんだったら可愛いのに)

『…あった、かい』

ガゼルがそっと自分から身をゆだねてきた。

「お前が薄着すぎんだよバーカ」



いつも余裕かましてる癖に
意外と寂しがりで
強がりで
怖いくらいの厨二で
可愛くて・・・


俺はそんなお前が大好きだぜ


さっきより強く抱きしめた。



 END







 

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