夢の世界へ

□ふたりだけの世界
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――ピンポーン



んぅうーん…眠い…。布団に丸まりながらチラっと時計を見た。は?まだ針も見えない位暗いっつーの。ふざけんなよ誰だよ私は寝るぞ。


…こんな非常識な時間に来る奴なんてアイツしか思い当たらないけど、ごめん寝るわ。


ピンポーン

ピンポーンピンポーンピンポーンピンポンピンポンピンポンピンポンピピピピピンポーン



「だぁあ゙煩いっ!!何時だと思ってんだ、この馬鹿!!!!」


ドアの向こうに立つ奴を張り倒す勢いで開けたが、哀しいかな奴の方が一枚上手だった。当たるか当たらないかの距離を把握していたのであろう…そこには不機嫌そうに立っているサスケ。

何故!?不機嫌になりたいのはこっちだっつーの!

「…ちっ」

「女が舌打ちするな、早く開けないのが悪い」

なんだその言い草、飄々と乙女の部屋に上がり込みやがって。あ…ちゃんと足の砂落としてから入れっていつも言ってんのにコノヤロー。





「なぁ、」

「ん?」


居間で我が家の如く寛ぐサスケに珈琲を差し出した。勿論仕返しは忘れない、角砂糖三つ入れてやったよバーカ。


「…最近どうだった?」

週一ペースで来るのにサスケは決まってこの台詞を吐くが、どうやら私の事が気になるようだ。ふん、可愛い奴め!てゆーか珈琲普通に飲んでるし…え、実は甘党?



「うーん、良い事があったような…無かったような〜」

「何だよそれ、言えよ」

少し意地悪な言い方をするだけで、直ぐに顔に出るサスケがカワイイ。勿論良い事があったなんて嘘だ。


「んふふ、サスケは可愛いね!」

「話しを逸らすな。大体男が可愛いだなんて嬉しくねーんだよ」

「そう?私は可愛いサスケも好きだけどなっ」

「…ちっ」

「自分だって舌打ちするじゃんか…」

「うるせぇ、男はいいんだよ」


何それって言い返したらバツが悪そうにそっぽを向かれた。
その時目に入ったサスケの背中は大きい様で小さくって…まだまだ甘えたい年頃だろうに哀しいくらい大人になろうと足掻くサスケ。

イタチを殺した後、彼は何を目標に生きて行くのだろうか。



なんて、私がセンチメンタルになっても意味が無いのだけどね…。


全てサスケが決めればいい。私はその後をただ着いて行けばいいのだから…。




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