夢の世界へ

□初恋オンパレード
2ページ/2ページ





「凛音さん、泣かないで下さいよー」


「うっさい誰のせいだ…っ」


「罪な男っすよねー僕も!っていうか凛音さんの婚約者って誰っすか!?」


ボケかますトビを突っ込む力も無いわ…


「…はたけカカシって人だけど、トビは知らないでしょ」

「(奴か…)ぜぇーんずぇん知らないっす。そんな無名な男のどこがいいんすか?ほんとっずぇーーんぜん知らないっす!まじクソですよっ因みに僕はいつでもウエルカムです!」ちょ


「んー…カカシが私にぞっこん?だからかな〜」
てかお前今どさくさに紛れてカカシの事クソって言ったろ。

「(え、ちょスルー?)へー」

「ま、いい加減マダラさんへの気持ちにケジメつけなきゃね」

「!!」

「只の憧れじゃなかったんだけどなー」


「気に入らんな」



トビ独特の高い声から一変…隣から聞こえてきた声は低く落ち着いたもので、誰か来たのかと思い辺りを見渡すも、やはり此処には私とトビの二人きり。
…なんだ空耳か


「気に入らんな!」


ぇええ!!??


やっぱり明らかにトビから聞こえるよね?



「え…トビ、なの?」


「気に入らん!」


エンドレスですか。
私の話しを聞いて下さい…




「トビ…なんだよね?まさか急に変声期迎えたとか?」



「気に入らんな!何故好きでもない奴と結婚しようとする!!」


え、ちょ怒鳴らないで下さい。
変声期迎えたのはスルー?ってかそれ以前にキャラ逆転してるし…


「マダラが好きならそれでいいんじゃないのか?」

「だから、この人はもう…」

「生きていると言ったらどうする」

「え?」

「コイツはしぶとく生きている。現に……」


立ち上がったトビはお面に手をかけた…


「嘘……でしょ」


「俺が、うちはマダラだ」



わぁ、やっばい…視界が滲んできたわ。恋い焦がれた石像の姿からは大分…うん、ひいき目に見ても大っ分老け込んだけど、毎日見てきた私ならわかる。



「マダラさんだ…」


「凛音、今失礼な事を考えたろう」

「今のマダラさんも、とっても素敵でヤバイです」


あ…マダラさんが笑った。
うわぁヤッバイ、やっぱり好きだー



「さて凛音、お前に選択をさせてやる。
俺の正体を知った以上、お前を木ノ葉に帰す事は出来ん。要するに、だ…
此処で俺に殺されるか、死ぬまで俺の傍に居るか…二つに一つだ」


ニヤリと意地悪く笑う貴方はとても凛々しくて、額当てを外した私は迷うことなく木ノ葉を裏切った。

綺麗に引かれた線を貴方に見せて微笑めば、彼もまた…笑ってくれた。


「(ごめんね、カカシ)

…っていうかマダラさん、目の下のシワ半端ないですね♪』

「ウルサイ黙れ、抱くぞ」←

「もしかしてマダラさんも、私に一目惚れですか?」


「っ!話しをすり替えるな、抱くぞ」照

「あー照れてる!マダラさんてば可愛いですね♪」

「俺を可愛いと言うとは良い度胸だな。アジトへ帰ったらたっぷりと仕置きしてやる!」


「きゃー怖いっ!あ、それからマダラさん」

「今度は何だ…」

「笑うとシワが一層引き立ちますね!」

「………」


「私、木ノ葉は裏切ったけどマダラさんは一生裏切りません」



ニコっと笑えば、耳まで赤いマダラさんが笑ってくれた気がした。








一目惚れオンパレード


(一目惚れ等と、とても言えやしない)










.

前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ