夢の世界へ
□初恋オンパレード
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「凛音さん、泣かないで下さいよー」
「うっさい誰のせいだ…っ」
「罪な男っすよねー僕も!っていうか凛音さんの婚約者って誰っすか!?」
ボケかますトビを突っ込む力も無いわ…
「…はたけカカシって人だけど、トビは知らないでしょ」
「(奴か…)ぜぇーんずぇん知らないっす。そんな無名な男のどこがいいんすか?ほんとっずぇーーんぜん知らないっす!まじクソですよっ因みに僕はいつでもウエルカムです!」ちょ
「んー…カカシが私にぞっこん?だからかな〜」
てかお前今どさくさに紛れてカカシの事クソって言ったろ。
「(え、ちょスルー?)へー」
「ま、いい加減マダラさんへの気持ちにケジメつけなきゃね」
「!!」
「只の憧れじゃなかったんだけどなー」
「気に入らんな」
トビ独特の高い声から一変…隣から聞こえてきた声は低く落ち着いたもので、誰か来たのかと思い辺りを見渡すも、やはり此処には私とトビの二人きり。
…なんだ空耳か
「気に入らんな!」
ぇええ!!??
やっぱり明らかにトビから聞こえるよね?
「え…トビ、なの?」
「気に入らん!」
エンドレスですか。
私の話しを聞いて下さい…
「トビ…なんだよね?まさか急に変声期迎えたとか?」
「気に入らんな!何故好きでもない奴と結婚しようとする!!」
え、ちょ怒鳴らないで下さい。
変声期迎えたのはスルー?ってかそれ以前にキャラ逆転してるし…
「マダラが好きならそれでいいんじゃないのか?」
「だから、この人はもう…」
「生きていると言ったらどうする」
「え?」
「コイツはしぶとく生きている。現に……」
立ち上がったトビはお面に手をかけた…
「嘘……でしょ」
「俺が、うちはマダラだ」
わぁ、やっばい…視界が滲んできたわ。恋い焦がれた石像の姿からは大分…うん、ひいき目に見ても大っ分老け込んだけど、毎日見てきた私ならわかる。
「マダラさんだ…」
「凛音、今失礼な事を考えたろう」
「今のマダラさんも、とっても素敵でヤバイです」
あ…マダラさんが笑った。
うわぁヤッバイ、やっぱり好きだー
「さて凛音、お前に選択をさせてやる。
俺の正体を知った以上、お前を木ノ葉に帰す事は出来ん。要するに、だ…
此処で俺に殺されるか、死ぬまで俺の傍に居るか…二つに一つだ」
ニヤリと意地悪く笑う貴方はとても凛々しくて、額当てを外した私は迷うことなく木ノ葉を裏切った。
綺麗に引かれた線を貴方に見せて微笑めば、彼もまた…笑ってくれた。
「(ごめんね、カカシ)
…っていうかマダラさん、目の下のシワ半端ないですね♪』
「ウルサイ黙れ、抱くぞ」←
「もしかしてマダラさんも、私に一目惚れですか?」
「っ!話しをすり替えるな、抱くぞ」照
「あー照れてる!マダラさんてば可愛いですね♪」
「俺を可愛いと言うとは良い度胸だな。アジトへ帰ったらたっぷりと仕置きしてやる!」
「きゃー怖いっ!あ、それからマダラさん」
「今度は何だ…」
「笑うとシワが一層引き立ちますね!」
「………」
「私、木ノ葉は裏切ったけどマダラさんは一生裏切りません」
ニコっと笑えば、耳まで赤いマダラさんが笑ってくれた気がした。
一目惚れオンパレード
(一目惚れ等と、とても言えやしない)
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