夢の世界へ

□成
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グニャリ―…


暗くなったと思ったらどうやらマダラの異空間に連れて来られたのか。
一直線に下へ下へと落ちる私の身体。ってちょっと待て未だ目が闇に慣れてません。受け身が取れないっ。上も下も闇…一体床は何処?受け身受け身受け身受け身受け身。


「……んぎゃっ!」ベチャ


ほら、言わんこっちゃない。痛いんだぞ地味に痛いんだ。しかもベチャって…私はカエルじゃない!

「気が付いたか?」

「!…マダラ、何時から居たの?」

「初めからだな」


初めからだな。じゃねーよ、助けろよ!


「よくもまあ、そんな事が言えたものだ」

「…心の内を読まないで下さい」

「まぁ良い。取り敢えず移動するぞ」


「…へ?」
間抜けな返答をした私は再びグニャリ。相変わらず横暴な男だよアンタは…





二度目の効果音はボフンだった。どうやら此処は私の部屋のベッド…柔らかい布団の上で安心したのもつかの間に、上からマダラが現れ蹴飛ばされた。あぁ、マイベッド…短い幸せをありがとう。


「痛いっす…」

「俺と居ると凜音はいつも痛いと言うが、それは口癖か?下らない口癖は直せ」

面食らった。
面してる男なだけに面食らう。なんちゃって。


「…時に凜音、お前イタチの部屋で何をしていた?」

「え、何って?」

「質問に質問で返すのは好かん」


マダラから逃げてました!なんて言える訳ない。あぁマダラ、そんな疑う様な目で見つめないで下さい。


「俺に言えない様な事をしていたのか?クク、他の男の寝台に跨がるような女だもんな…」


あ、ヤバい…マダラ怒ってる。ゆっくりと私に近づく彼に後退りするも哀れ、背中と壁がコンニチハ。



「俺を裏切るなら、いっそ殺してくれようか?」


耳元で囁かれた言葉に背筋が凍りついたが、でもなんだ?怖いとかいう焦りじゃないんだ。彼はゆっくりゆっくり、私の首に手を掛ける。


「マダラ…」

「なんだ、」

「私、イタチとは何にもしてない」

「…証拠は?」

「証拠は無いけど、本当に何もしてない」


だから、

だからそんな顔しないで?

お面の穴から覗く貴方の瞳は酷く冷たい。私がそうさせてしまったのだろうか?



「俺はイタチに近付くなと言った筈だ」

「うん。ごめんなさい」

「お前は俺から逃げ出したいか?」

「え?」

「知ってるぞ…凜音を縛り付ける俺が憎いのだろう?」

「…そんな事無い」

「では俺が好きか?」


そんなもん好きに決まっている。嫌いならとっくに逃げ出しているし、嫌いな奴と身体を重ねる程私は堕ちてない。


「言え、凜音」




でももう少し、大切に取って置きたいの。








「ごめん、マダラ。私…イタチとキスした」


そんな貴方にやっぱり嘘が付けないバカな私。あぁ本当に馬鹿だ……意味の有る嘘と意味の無い嘘を履き違えただろうか。








素直に成れない哀しい二人

(貴方は黙って部屋から消えた)












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