種
□瞳
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「クロトの目って綺麗だよね」
いつも通りゲームしてた僕に何が楽しいんだかわかんないけど名無しさんが嬉しそうに言った
「そう?自分でそんな意識したことないよ」
どっかのナルシスト野郎のオッサンじゃないから自分の顔なんて鏡でじっくり見たことない。
「だってクロトはブルーアイズだよ?私なんてつまんない色なんだもん……」
名無しさんがしょんぼりしながら僕の頬を撫でてくる。ちょっとくすぐったい。
確かに名無しさんは目が僕と違った色をしている。僕にとっては名無しさんの目の方が強くて綺麗だと思う。意思が真っ直ぐブレなくて、名無しさんの前じゃ嘘はつけない。
「僕は自分の目の事なんて気にした事ないからなぁ……あっ、もしかして名無しさんがたまにカラコン入れてるのって…」
「そぉだよ〜色んなカラコン試して自分に似合うのを探してるんだよ〜」
名無しさんは今入っているカラコンを取り出して何かの液に浸して閉まった。
「まあ買いに行けないから通販だけど、代金は理事に請求してるからお金に困る事はないし」
あの金にがめついオッサンに請求なんて中々根性が据わっているらしい。
「ブルーアイズなんて結構居ると思うよ?確かラボにも青い目した奴居たしね」
まぁそいつは髪の色も青っていうか水色だったけど。ついでにすげー生意気な奴だった。
「カラコン入れると目を傷つけるからあんまり名無しさんにはしてほしくないなぁ…」
僕はこれでも最大限に言葉を選んで名無しさんに説得してみた。好きな子の目がキズついて苦しんでる姿なんて見たくない。
「ん〜……クロトは私の目の色って好き?」
視線を合わせながら名無しさんが僕の肩に手を置いた。今度は少しドキドキする。
「もちろん好きだよ!だって僕が逢ってきた人の中で一番綺麗な目をしてるからね!」
ときどき名無しさんの目を真っ直ぐ見れないけど、それは自分の汚い所まで見られるのが嫌だから。他の奴は構わないけど名無しさんだけには見られたくない。
「そっかぁ!クロトが好きって言ってくれるなら私カラコンやめる!」
名無しさんは
僕の好きな笑顔をやっと見せてくれた。
「それならもうそれはイラナイよね?」
僕は名無しさんの手のなかにあるコンタクトを取ってゴミ箱に捨てた。
ついでに名無しさんの部屋に行って残りのやつも捨てなきゃね。
「クロトありがとね!少し自分に自信が持てたかも!」
名無しさんはゴミ箱に入っているのを見てスッキリした表情をしていた。
「名無しさんはもっと自信を持ってよ。僕が好きになったんだから可愛いに決まってるじゃん!」
僕は名無しさんの頬に一つキスをした。
その後名無しさんからも僕にキスをしてくれて二人で抱き合った。
オワリ
あとがき
またオチないんです。シャニでやればよかった。