ギブアンドテイク!
□本音は隠すもの
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「え?なっ、あの…はぃ?!」
どうやら腐男子を知らなかったらしい。
たくさんの“?”が見える気がする。
しかし、ここまで反応が正直な奴は初めてだ。
「お前こそゲイなの?」
完璧な不良スタイルの俺に物怖じする様子もなく、
「で、どうしてそんなトップシークレットを俺に…」
頭の回転も悪くない。
「うそっ、あ、あり得ない…!!」
思考が駄々漏れという、受けの必須スペックも持っているようだ。
恥じらう姿が意外と可愛い、なんて嬉しいおまけ付きで。
―――使えるな。
真っ先に浮かんだのが打算を含んだ考え。
だからだろう。
「俺と取り引きをしないか?」
この言葉が自然に口をついて出た。
「えっ」
言われたことが一瞬、理解出来なかったのか困惑するそいつ。
そりゃ、当然だろう。
俺たちはまだお互いの名前も知らないんだから。
だけど。
俺の口は止まらない。
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