ギブアンドテイク!

□いきなりピンチの予感?
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バラのアーチをくぐって、大慌てで中庭を抜けた俺は、膝からその場にへたり込んだ。



はぁ……
危なかった。

静まれ、心臓。



『気持ちわるい』


『おかしいよ、絶対』


あれをまた、繰り返すのはごめんだ。



ふいに不安に飲み込まれそうになって、自分の体を自分で抱き締めた。

立ち上がる気力が起きずに暫しの間そうしていると、


「君、どうした。気分でも悪いのか?」


本日2度目の優しい声掛けを頂いた。
俺、どんだけ人に心配されてるんだよ。

しかも1日24時間あるうちの10分足らずで2回。
ホント、どんだけなの。


「い、いぇっ…俺は」


内心へこみながらも笑顔を作って、声のした方を仰ぎ見た。
その先にいたのは、


「お。誰かと思ったらまぁ…」


「!」


「どうしたよ、みぃ。今にも死にそうなツラして」


唯一、俺を“みぃ”と呼ぶ人。



「…おにーさんに話してみ?」



大切な大切な、俺の幼なじみで担任の遠江 暁那だった。





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