ギブアンドテイク!

□いきなりピンチの予感?
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なにかにつまずいて、ハデに転んだ。
というより転がった。


顔からの着地は免れたが、衝撃で老眼鏡がふっ飛んだようだ。


…地味に痛い。
ちょっと擦りむいたし。


「…ってぇ」


後ろから聞こえる呟きに、俺は慌てて振り返る。

取り敢えず、悪いのは俺だし謝らないとだよな。


「す、すいませんでした。俺の不注意でっ…!」


がばっと頭を下げて、謝罪。
勢い余ってか視界がぐらつき、すぐに顔が上げられない。

それをどう見たのか、心配の色を含んだ声が降ってくる。


「…おい、立てるか?」


低くて、少し掠れた感じの甘く甘い、それ。

かすかに胸が鳴った。


あれ?
なんか、ヤバい。
これは覚えがある、感覚。


「ほら、つかまれ」


急速に鮮明になる視界に、差し出された手を捉え、その先の顔を見て弾かれたように後ずさりした。





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